Momiji-Kusuharaの日記

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ロボットと人間の未来

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画像引用元:http://karapaia.com/archives/52211768.html

ロボットと人間の未来について

最近TVでもAIの話題がよく挙がる。これについて色々と調べてきたので書こうと思う。

まず、現在のロボットは演算能力について、日本で言えばスーパーコンピュータ「京」がその名のとおり10^16フロップスであり、これはちょうど人間1人と等しい。しかし、単純な計算をする分にはロボットの方がはるかに速いし、逆を言えばロボットは人間のような言語の翻訳を出来ていない。これは人間とロボットの思考プロセスが異なっているからである。


 ロボットが「人間らしい思考」を示した例として「囲碁におけるAlphaGo」や「チューリングテストにおけるEugene」、芸術で言えば音楽や絵を生み出すようなロボットは既にある。これらを費用対効果で評価するとすれば(して良いかは疑問だが)、ロボットはこれらの分野でも人間に勝っていると言えるだろう。つまり、車より速く走れる人間が既に居ないように、人間のアイデンティティーである思考力も特定の分野を見れば既に勝てない領域にある。


 ところが、それらのロボットは、囲碁しか打てないし、会話で人間を模倣することしかできないし、音楽か絵しか作れない。これは、「立ちあがり、歩き、走り、登り、踊ることを学ぶこと」ができる、逆を言えばそれらをしなければならない人間との一番大きな違いである。


さて、このように不器用な現代のロボットであるが、2045年に起こると言われているシンギュラリティーに達したらどうなるだろうか。


仮に、「人間のように技術を発展させることができ、それが桁の違う速さで進ませることができる」とすれば、もはや彼らはクヌースの矢印表記が必要な速さで技術が発展するだろう。すると、物理的に可能な範囲で全てのことが実現できるようになるかもしれない。


例えば、人類が今までに到達している地下4800mよりはるかに深い地中からレアメタルなどの資源を得たり、不治の病とされていた病気に効く特効薬を作れたり、食料を全自動で大量生産できたり、私が一晩掛けて造ったオセロゲームを瞬きする間に設計したりするだろう。


こうなると人間は何をしていれば良いのか。私は、労働力の多くがロボットによりまかなわれることになると考える。なぜなら、表面上は人間と等しい能力を持ったロボットが生産できるようになり、それは大量に生産できる。さらに業務の効率化により必要な労働力が減るからだ。


よって未来の世界は、私達が平日に10時に起きてfish and chipsでもつまみながらゆったり過ごしている間に、ロボット達は働いて、私達を扶養するような世の中になるだろう。


そんな世の中で、人間が主要とする職業はなんだろうか。現在でもプロのゲームプレイヤーや動画配信者等、一般市民のようなエンターテイナー達が居るが、世間ではおおよそ仕事として認知されていない。しかし、シンギュラリティーに達した世の中では、これらのような「人々に余裕があるからこそ成り立つ職業」が人々の仕事の主体となると考える。もしかしたらミニ四駆ミニ四ファイターが復活するかもしれない、そう考えるとなんて幸せな世の中だろうと感じる。

 

ところで、そもそもシンギュラリティーは起こるのだろうか。仮に起こったとしてもクラッカーによる悪用に備えることは可能なのか。


前者に対しては、シンギュラリティーに達した人工知能の必要条件を考えなければならない。その条件は「自らをより優れたものに発達させられる強いAIであること」と考える。これを満たす一例をあげれば、AIで人間の脳を再現できれば良い、これができればあとは自動的にシンギュラリティーに達するだろう。しかし、これは難しいと考える。それはAIと脳は大きく違うからだ。例えば、心理学的で言えば「自我」や「自己同一性」等々、哲学的には「スワンプマン」や「テセウスの船」、はたまた情報学的には「AIは目的を持てない」等々、これらを無視したAIは作れるかもしれないが、それは「自ら目標を持ち何が正しいかを判断すること」が出来るのだろうか。これが出来なければ「何が必要か、どうすれば入手できるか、どう実行すればいいか」等の前提条件を作れないし、抽象的な成果に対してより良い結果になったか評価が出来ない。そしてそれはシンギュラレィティーに達していないことを意味するだろう。


これらを考慮すると、蒸気機関や内燃機関が生まれた時と同じように多くの仕事を肩代わりできるが、成長が頭打ちになり、シンギュラリティーは起きないと考える。


また、後者は、情報化社会が進むことによって、ただの一般市民に過ぎない人でも、社会に大きな影響を与えられるようになったため、起こった社会問題や、アノニマスなど、大きな集団による一種のテロだろう。「DDoS攻撃」や「PCの乗っ取り」等、有名なものでは「Stuxnetを用いたイランの核施設への攻撃」がそれである。これらを参考にすると、より大きな事業の自動化にはクラッキングによる大きな危険性が生まれることが分かる。例えば「各家庭の電気メーターの情報を元に発電所が自動で発電するようになったら、それをクラッキングし、過電流状態にして施設を壊す」ということができてしまうのではないか。大きな施設は脆弱でなくとも、末端にあるシステムは脆弱にならざるを得ない、経済を高度にしていくにつれてそれらの繋がりが強くなるため、よりクラッキングに注意する必要が有る。


よって、これらの問題点より、2045年になったとしても私達はそれなりに、エンターテイメント以外の仕事があり、ロボットと共存していると考えるが、テレイグジスタンスのような技術の発展もあり、その活動形態は大きく変化すると考える。

 


参考文献:


『スーパーコンピュータ「京」開発プロジェクトとは』

www.fujitsu.com

 

チューリングテストに「13歳」の人工知能が合格』

wired.jp


『技術的特異点

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%9A%84%E7%89%B9%E7%95%B0%E7%82%B9


『強いAIと弱いAI』

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%9A%84%E7%89%B9%E7%95%B0%E7%82%B9


Eric S. Raymond 『How To Become A Hacker』

http://www.catb.org/~esr/faqs/hacker-howto.html


『スタックスネット』

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88